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硝煙の少年。

「はぁっ!!!!!食らえっ!!!!!!!」
無駄に大きい声が当たり全体に響き渡る。
元々人通りの多いとはいえないミナル森の奥地だが、このうるさい程の声はその人通りの少なさを更に加速させる要因とも言える。
そして逆に…この無遠慮な進入者の声に魔物達は猛り立ちその声を目印に集まってくる。
そんな事を知ってか知らずか、ホロウ=ケルヴィンは声を上げ身の丈ほどある槍を振るっていた。
とても鮮やかとは言えず、単純な攻撃であったが、その強烈な攻撃は知性の少ない魔物達を穿つのには十分すぎる程であった。
「よし!!!!必殺ー!!!!!!!!」
そう叫んだホロウは棒高跳びのような要領で槍を地に刺し高く舞い上がった。
そしてあろう事か、大群の中へ飛び込み頭上から1匹の魔物を突き刺した。
「どんなもんだ!!!!…あ…」
得意になって顔を上げればそこには魔物が1匹。
後ろにも横にも何処を見ても魔物に囲まれてしまっている。
正しく絶体絶命…そう思った時、ぱぁん、と炸裂音の様な物が辺りに響き渡る。
そして連続して数回。テンポ良く響き渡る小気味いい音に振り返ると炸裂音が響く度、魔物が順々と断末魔を上げ倒れていく。
魔物達は何が起こったか解らないようで目の前にいるホロウの事など忘れ辺りを見渡し炸裂音の出所を探し始めた。
ぱぁん、また響く。今度はホロウの首筋を何かが掠めた。
小さく、そして嫌な風を首筋に感じ思わず手を首筋にそっと当て、再度振り返ると目の前にいたはずの魔物が呻き声を上げ地に臥していた。
その骸には小さな穴が心臓に一つ。
「ボサっとするな。さっさと目の前にいる奴を刺せ。」
小さいが、しっかりと聞こえたその声を聞くと、ホロウはハっと表情を変えて槍を握りなおし魔物の突進をした。
「うおー!!!!!!!!!!」
相変わらずそのやかましい声は辺りに響き渡った。

「はぁ…はぁ…。つ、疲れたー!」
魔物を何とか一掃したホロウはそのまま地面に大の字に倒れるように寝転がった。
瞳を閉じてさっきの魔物退治を回想する。
「いやー!我ながら中々いい感じに戦えたな!!!」
「何処がだ。」
「うわぁ!?」
驚いて体を起こし、突然の声の主の方向へ振り返る。
その姿を見たホロウは安心したような顔をし、それから少し怒ったような顔をして言った。
「どうしてだよレイミス!!すげぇかっこよかっただろ俺!?」
レイミスと呼ばれた少年は手に持ったままだった銃を腰に戻し、顔を全く変えず無表情のままと答えた。
「まず第一に五月蝿い。そして第二、攻撃が一辺倒すぎる。そして第三、必殺技が言えてない。そして最後に、やかましい。」
淡々と告げるレイミスにホロウは肩を落し、呻いた。
「ほっとんど俺が五月蝿いとしか言ってないじゃないか…」
「ほとんどそれで説明できるからな。あれじゃあ魔物を誘き寄せるだけだ。」
表情を変えず言うレイミスにホロウの肩は更に落ちた。
「久しぶりに会うのにつれないなぁ…でも、俺の手紙読んでくれたんだね!」
「…お前の中ではこれが手紙なのか。」
そう言ってレイミスは懐から紙を取り出しホロウに突きつけた。
何やら大きく、手書きで駄々草に文字が書かれている。
『強くなった俺を見てくれ!  ホロウ』
「えぇー?そうかなぁ?」
「最初は燃やしてやろうと思ったぐらいだ。」
そう言ったレイミスは丁寧にその手紙(?)をたたんで懐に戻し、久方ぶりに会う友人の顔を少し見つめた。
「まぁ。ともあれ、久しぶりだなホロウ。」
「うん!久しぶりレイミス!元気だった?」
ぼそりと言ったレイミスの言葉に反比例するようにホロウは声を上げ、レイミスの肩を軽く叩いた。
「特に変わりは無い。こっちは相変らずだ。」
「相変らずって事は…やっぱり魔物狩り?」
「ああ。家業だからな。」
相変らず無表情のままレイミスは答える。
まるで仮面を貼り付けたかのように表情はピクりとも動かない。
「それにしても…今気付いたけど場所書いてないのによく此処が解ったね?」
『会おう』という内容の手紙にしては致命的なミスだ。
反省しているのかいないのか。あははと笑うホロウを呆れたようにレイミスは見つめた。
「この紙はこの辺りで取れる植物から作られるからな。憶測で此処に来たがどうやら間違って無かった様だ。」
まるで常識だ。というようにレイミスは答える。
「そっちは随分変わったようだな。まさか旅に出ているとは思ってなかったが。」
「レイミスが村を出て行ってから俺もいつか旅で出たい!ってずっと思ってたんだよ!それでレイミスと一緒に冒険出来たらなー!ってさ!!」
「そうか。」
そう答え、レイミスはまじまじとホロウの槍を見てから、口元に指を当て先ほどの戦いを想起する。
「しかし、とても利口な戦い方とは言えないが腕を上げたのは確かだな。誰かに教わったのか。」
「うん!!実は俺ギルドに入っててさ!!そこのギルドマスターに…あ、俺は師匠って呼んでるんだけどね!その人に修行してもらってるんだ!!」
「ほう。」
どうでもよさそうに相槌を打っているように見えるがこれがレイミスという人間である。
この幼馴染が感情を表に出すことを得意としていていない事はホロウには解っている。
「最初に会った時は俺フィクシの大群に襲われてさー!その時に助けてもらって無理いって弟子にしてもらったんだよね。」
「そうか。」
だから、そんな様子を気にすることも無くホロウはいつものように笑いながらレイミスとの久しぶりの会話を楽しんだ。


そんな会話(一方的にホロウが喋ってるだけの様にも見えるが)を楽しんでいると辺りはもう夕焼け空となっていた。
ずっとホロウの会話に相槌を打っていたレイミスだったが会話に間が空いた所で自分から口を開いた。
「さて、そろそろ俺は行く。またな、ホロウ。」
「え?もう行くのかよ!?」
まだ喋り足りないと言いたげにホロウは悲痛な声を上げる。
「今日は向こうの魔物を狩ろうと思っていたからな。」
レイミスは東の方角に指を差した。
耳を澄ませばぎゃあぎゃあと不吉な魔物の声が聞こえホロウは身を強張らせる。
「ちょ、ちょっと待って!今日はもう一つ言いたい事…っていうかレイミスを誘おうと思ってた事があるんだ!」
「なんだ。」
レイミスはそう答えたが視線は指を差した方角から動かない。
腰に提げた銃を指でなぞるように触り、いつでも戦闘に入れるようにしている。
「ちゃんと聞いてよ!レイミス!!結構大事な事なんだからさ!!」
怒ったように言われ、ようやくレイミスは視線をホロウに戻す。
相変らず銃をなぞる指は止まる気配は無かったがひとまずこっちを向いてくれただけよし、とホロウは言葉を続ける。
「レイミスもよかったら俺達のギルド入らない?」
「何故だ。」
本気でどうしてか解らないか、軽く首を傾げてレイミスは答える。
「さっきも言ったでしょ?俺も旅に出て一緒にレイミスと冒険したいってさ!それにレイミスはいつも1人で危ない所行ってるんでしょ?皆でやったほうが楽しいし危険な場所だって皆で行けば…」
「その必要は無い。俺1人でも魔物狩りは問題無くできている。」
強がる、といった素振りも無くレイミスは答える。
事実レイミスは強い。幼少の頃から戦闘術を叩き込まれていた彼にホロウが掛かっても到底敵う様な相手では無い。
だが、それだけ強いという事が解っていてもこれぐらいで引くようなホロウでは無かった。
「そんな事言わないでさ!確かにレイミスは強いっていうのは知ってるけど…でも友達としてはやっぱり心配じゃんか…」
「ホロウ…」
その言葉にこれまでずっと無表情だったレイミスの顔が僅かに、歪んだ。
その歪みはすぐにまた正されたが、少し間を置いた後レイミスはそっと口を開いた。
「…いつ抜けるか解らないぞ。それでもいいのか。」
「うん!良い奴ばっかりいる所だからレイミスもきっと気に入るから大丈夫だって!!」
「そうか。」
ふん、とレイミスは軽く鼻を鳴らす。
「なら、入ってやる。本当にいつ抜けるか解らないからギルドの貢献については期待するなよ。」
「ヨッシャ!そうこなくちゃ!!」
「なら、早速手伝ってもらおうか。行くぞ、ホロウ。」
そう告げてレイミスはそそくさと歩き始めた。
先ほど指を差した方角へ、おぞましい鳴き声が聞こえるその方角へ。
「え!?お、おう任せとけよ!!!」
少しへっぴり腰になりながらもホロウはその後を追う。
振り返る事無く歩くレイミスであったが、その表情は確かに少し微笑んでいた。

※キャラクター紹介に「Raymis=Tail」を追加しました。

raymis.png
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| 小話 | 17:16 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

oloさんに友達がいたなんて・・・

| 名も無き者 | 2011/11/19 17:39 | URL |

どんどんwwwwwぱんwwwwwwwwwww

| 名も無き者 | 2011/11/21 04:49 | URL |

硝子の少年じゃなかった

| 名も無き者 | 2011/11/21 11:46 | URL |

名も無き者A>
oloだって友達ぐらいいるんだよ・・・

名も無き者B>
どどどどどどどどどどwwwwwwwwwwwwwwwwww

名も無き者C>
ステイウィズミーなんてしないぞ!!

| LeanKurusimo | 2011/11/26 20:39 | URL |















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